浄水器の知識・選び方

2017年の浄水器協会の調査によると、全国の浄水器普及率は36.2%です。一口に浄水器といっても何種類もの製品が販売されています。ここでは、「美味しいお水が飲みたい」「水道水をより安全に飲みたい」というニーズをお持ちの方のために、浄水器の基本的な知識や選び方のポイントをご紹介します。

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《目次》

  1. 浄水器が普及したきっかけは?
  2. 浄水器の基本的な仕組み
  3. 性能のチェックポイント「ろか流量」って何?
  4. 浄水フィルターのろ材と除去能力
  5. 形態で分ける浄水器の種類
  6. 浄水器の品質表示
  7. まとめ~ 目的にあった浄水器選びをしましょう

1.浄水器が普及したきっかけは?

浄水器が初めて発売されたのは1950年頃です。1970年代になると、近畿地方の水源である琵琶湖の水質が悪化したため、塩素を多く使用するようになりました。
そのため、水道水のカルキ臭やカビ臭が強くなり、変なにおいや味がするようになりました。それらを改善する目的で発売された浄水器がブームになりました。

浄水器が普及したきっかけは?

その後、トリハロメタンや農薬などの化学物質が水道水に含まれていると報道され、水道水に対する不安が広がり浄水器が一般家庭へ普及するようになったといわれています。
東日本大震災後は原発事故をきっかけに、水道水に放射性物質が検出されたことでさらに浄水器に関心をもつ人が増えました。

2.浄水器の基本的な仕組み

浄水器の基本的な仕組みは、「水道水をフィルターに通して不純物を取り除く」ことです。そして、浄水能力は「どんな種類のフィルターに、水道水をどのくらいの勢いで通すか」といったろか流量によっても除去する能力が変わります。

浄水器の基本的な仕組み

3.性能のチェックポイント「ろ過流量」って何?

浄水器の性能のチェックポイントとして「ろ過流量」が挙げられます。ろ過流量とは一定時間にどのくらいの量のお水を通すかということです。一定時間に、より少ないお水の量を流したほうが浄水能力は高くなります。たとえばポット式の浄水器では水の重みでゆっくりろ過をするので、フィルター(ろ材)の性能が発揮されやすい状態といえます。

 一方、蛇口に取り付けるタイプの場合、蛇口の開き方で流量が変わるので水の勢いが強いと不純物のキャッチが追いつかなくなり、フィルター(ろ材)の性能が発揮されないという状態になります。

性能のチェックポイント「ろ過流量」って何?

4.浄水フィルターのろ材と除去能力

浄水器に通した水がおいしくキレイな水に変わるのはフィルターのろ材のおかげです。使用している「ろ材」によって除去できる物質の種類は異なります。「どんなものが除去できるのか」を確認して選ぶことをおすすめします。
主なろ材の特徴と、不純物の除去能力は以下の通りです。

活性炭

 活性炭
活性炭は多くの浄水器に用いられており、孔は0.1ミクロン。樹木や竹・ヤシ殻・石炭などを炉の中で高温で焼いた炭のことをいい、カルキ臭・カビ臭・残留塩素・トリハロメタン・農薬などを除去します。活性炭のみを使用した浄水器もありますが、通常は活性炭と他のろ過方式を組み合わせたものが多いです。

中空糸膜

中空糸膜
中空糸と呼ばれる特殊な素材で作られた0.1ミクロンほどの穴が空いた糸を束ねた膜で、カビ・鉄サビ・カビ・濁り成分・一般細菌などを除去します。非常に細いストロー状の糸で、壁には細菌も通さないほど微小な穴があいています。ろ過膜式は詰まりやすい性質をもっています。

セラミック

セラミック
セラミック(陶器)の壁にあいている微細な穴を使用して、中空糸膜と同程度の除去能力があります。耐熱性や薬品に強いというメリットがある一方で、中空糸膜に比べ表面積を大きくすることができないため、目詰まりを起こしやすいというのがデメリットといわれています。

ROフィルター

逆浸透膜(ROフィルター)
0.0001ミクロンの超微細孔で、水分子だけ通す浸透膜で仕切りをして圧力をかけることで、きれいな水とそうでない水(廃棄水)に分離させることのできるろ過材です。分子レベルの不純物まで除去できる反面、水のうま味成分であるミネラルも除去されます。

表『 ろ材の除去能力 』

  活性炭 中空糸膜 逆浸透 セラミック
除去の目安
 残留塩素
 カルキ臭
 カビ臭
 鉄サビ
 一般細菌
ミネラルを残す ×
トリハロメタン
 放射性物質 × × ×
アスベスト × × ×
 目詰まり × ×

◎除去可能 〇条件により除去可能 △あまり除去できないまたは不明 ×除去不能

5.形態で分ける 浄水器の種類

浄水器を形態別に分類すると、『蛇口直結型』、『据え置き型』、『アンダーシンク型』、『水栓一体型』、『サーバー型』、『ポット(ピッチャー)型』に分けられます。 代表的な浄水器のタイプや特徴など、浄水器を選ぶ目安として参考にしてみてください。

性能のチェックポイント「ろ過流量」って何?

 蛇口直結型

蛇口直結型
< 特徴 >
◎ 蛇口に直接取り付けるため設置が簡単 、一番多く使われている浄水器で手軽で安価
× ろ過流量が小さい、カートリッジの寿命が短い(交換回数が多い)
< 除去能力 > メーカーにより浄水物質対象の13物質除去
< カートリッジ交換 > 約3~6ヶ月に1回の交換
< 価格帯 > 約15,000~20,000円程度

  据え置き型(シンクトップ)

据え置き型(シンクトップ)
< 特徴 >
◎ お湯や水と同時に浄水が使えるので使い勝手がいい、シンク下に場所をとらない
× シンクやカウンターへの穴あけ工事が必要、内蔵型に比べると価格は高め
< 除去能力 > メーカーにより浄水物質対象の5~13物質除去
< カートリッジ交換 > 約1年に1回
< 価格帯 > 約10,000~100,000円程度

  アンダーシンク型(ビルトインタイプ)

 アンダーシンク型(ビルトインタイプ)
< 特徴 >
◎ シンク周りがスッキリ、カートリッジの容量が大きいためろ過流量が大きい
△ 原水と浄水の切り替えが必要
× 内蔵型に比べると価格高め、シンク下にカートリッジの置き場が必要
< 除去能力 > メーカーにより浄水物質対象の13物質除去
< カートリッジ交換 > 約1年に1回
< 価格帯 > 約10,000~100,000円程度

 水栓一体型

 水栓一体型
< 特徴 >
◎ カートリッジ交換が簡単、原水・浄水が切り替えられる 、シンクまわりもスッキリ使える、シャワー引き出し式の蛇口タイプが多い
× ろ過流量が少ない、カートリッジの寿命が短い(交換回数が多い)
< 除去能力 > メーカーにより浄水物質対象の5~12物質除去
< カートリッジ交換 > 約3~4ヶ月に1回
< 価格帯 > 約15,000~20,000円程度

 ポット(ピッチャー)型

 ポット(ピッチャー)型
< 特徴 >
◎ 持ち運びに便利、使い方が簡単で手入れがしやすい、デザインやカラーが選べてコンパクト
× 浄水能力は高くなく浄水に時間がかかる、ポット内の水は早めに飲みきらないと雑菌が繁殖しやすい
< 除去能力 > メーカーにより浄水物質対象の9物質除去
< カートリッジ交換 > 2~3ヶ月に1回
< 価格帯 > 約2,000~6,000円程度

 サーバー型

 サーバー型
< 特徴 >
◎ 水道直結の自動給水サーバー、サーバー内のろ過装置でタンクに浄水をためる、冷水・温水が使えるものがある、カートリッジの寿命が長い(交換回数が少ない)
△置き場所を都合する必要がある
< 除去能力 > 浄水物質対象の13物質除去
< カートリッジ交換 > 約6ヶ月~1年に1回
< 価格帯 > 販売価格は20~30万、レンタルの場合は3000円程度~

6.浄水器の品質表示

浄水器には「家庭用品質表示法(JIS S 3201)」に基づく浄水器の「品質表示」が義務づけられています。

浄水器の品質表示項目は以下の7つです。

  1. 材料の種類
  2. ろ材の種類
  3. ろ過流量
  4. 使用可能な最小動水圧
  5. 浄水能力
  6. ろ材の取り換え時期の目安
  7. 使用上の注意

また、製品を試験した結果、どの物質が除去できるのか記載がありますので確認しましょう。

対象の物質を80%以上除去できる場合、一律に「除去率80%」と表記されています。

表『 家庭用品品質表示法で定められた除去対象物質 』

除去対象物質の区分 除去対象物質の種類を示す用語
遊離残留塩素 遊離残留塩素
濁り(水中浮遊微粒子等の濁りを発生させる物質) 濁り
揮発性有機化合物 クロロホルム
ブロモジクロロメタン
ジブロモクロロメタン

ブロモホルム
テトラクロロエチレン
トリクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
総トリタロメタン
農薬 2-クロロ-4-,6-ビスエチルアミノ
-1,3,5-トリアジン

かび臭

 2-メチルイソボルネオール

重金属

 溶解性鉛

7.まとめ~ 目的にあった浄水器選びをしましょう

◆ 水道水からどの物質を除去したいのかを把握して選ぶ
◆ 信用のおけるメーカーの製品で、しっかりとした品質表示を掲載しているものを選ぶ
◆ 浄水器のフィルター交換とメンテナンスを継続的に行うことを前提に選ぶ

参考文献

「みんなの水道水」
「正しい水の飲み方・選び方」
「浄水器 かしこい選び方・使い方」
「知識ゼロからのミネラルウォーター入門」
「ミネラルウォーターガイドブック」

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