水道水の沸騰で塩素やトリハロメタンは除去できる?正しい煮沸方法と注意点

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水道水を沸騰させるのは、塩素(カルキ)臭や安全性を求めたいからでしょうか。しかし、除去方法を誤ると、有害物質が濃縮することも。

本記事では、トリハロメタンを確実に除去する正しい煮沸方法と注意点をご紹介します。

  1. 日本の水道水には塩素・トリハロメタンはなぜ含まれる?
  2. 水道水を沸騰・煮沸することで塩素やトリハロメタンは除去できる?
  3. 塩素・トリハロメタンを除去するための水の煮沸方法とポイント
  4. 煮沸以外で塩素・トリハロメタンを除去する方法
  5. 赤ちゃんのための安全な水の選び方
  6. まとめ:水道水をより安全でおいしく飲むために

日本の水道水には塩素・トリハロメタンはなぜ含まれる?

日本の水道水は、病原菌などから私たちを守るために塩素消毒が義務付けられています。この塩素消毒の過程で、トリハロメタンという物質が生成されることがあります。

塩素・トリハロメタンとは何か

塩素

水道水の消毒に使われる殺菌効果のある物質です。家庭の蛇口まで細菌の繁殖を防ぎ、衛生的な水を供給するために必要不可欠です。

しかし、独特のカルキ臭の原因となることがあります。この塩素が、水中に残っている状態を「残留塩素」と呼びます。

トリハロメタン

水道水中の有機物(フミン質、植物プランクトンなど)と消毒用の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一種です。
具体的には、クロロホルム、ブロモホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタンの4種類が「総トリハロメタン」として水質検査項目に定められています。

安全基準と健康への影響

日本の水道水は、水道法に基づき51項目の水質基準と27項目の水質管理目標設定項目が厳密に定められています。

トリハロメタンや残留塩素もこれらの項目に含まれ、基準値以下に管理されています。

残留塩素の基準値は、給水栓(蛇口)において、水の消毒効果を保つために0.1mg/L以上である必要があり、また、快適な飲用のため1mg/L以下であることが望ましいとされています。

トリハロメタンに含まれるクロロホルムやブロモジクロロメタンは、国際がん研究機関(IARC)により「ヒトに対して発がん性がある可能性がある物質(Group2B)」に分類されています。

水道水を沸騰・煮沸することで塩素やトリハロメタンは除去できる?

水道水を沸騰させることは、塩素やトリハロメタンを除去する手軽な方法の一つですが、すべての有害物質に効果があるわけではありません。

沸騰・煮沸の仕組み

塩素やトリハロメタンは揮発性の物質であり、水を加熱することで気体となって空気中に放出されます。特に塩素は熱に弱いため、沸騰させることで効率的に除去できます。

トリハロメタンは10分以上の加熱で除去できる

塩素は、水道水を沸騰させることで残留塩素は分解しますが、トリハロメタンは、水温が上昇すると一時的に増加する性質があります。

トリハロメタンを効果的に除去するには、沸騰後も10分以上加熱を続けることが推奨されています。

沸騰し始めてからすぐに火を止めると、かえって濃度が高まる可能性があります。

他の有害物質(重金属・細菌など)は除去できない

沸騰・煮沸は、塩素やトリハロメタンの除去には有効ですが、すべての不純物や有害物質を除去できるわけではありません。

重金属(アルミニウム、鉄、鉛など)

重金属は、沸騰では除去できません。

細菌・ウイルス

沸騰により多くの細菌やウイルスは死滅しますが、耐熱性のある菌や、死滅した菌が作った毒素が残る可能性はあります。

有機化合物

沸騰は、水道水中の残留塩素トリハロメタンなどの一部の揮発性の不純物を除去するのには有効ですが、PFAS(ピーファス)やクロロ酢酸のような難揮発性の有機化合物に対しては効果がありません。

これらの有害物質の摂取が気になる場合は、浄水器の利用を検討しましょう。

塩素・トリハロメタンを除去するための水の煮沸方法とポイント

水道水に含まれる塩素やトリハロメタンを安全に除去するためには、正しい煮沸方法と沸騰時間を守ることが重要です。

トリハロメタンを除去する正しい沸騰の方法

蓋を開けて加熱する

やかんや鍋に水道水を注ぎ、必ず蓋を開けた状態で火にかけます。蓋を閉じると、揮発したトリハロメタンなどが水中に留まってしまい、除去効果が低減します。

10分以上沸騰させる

水が沸騰(ボコボコと泡立つ状態)した後も、10分以上加熱を継続します。トリハロメタンは沸騰直前に一時的に濃度が高くなる性質があるため、すぐに火を止めないことが重要です。

電気ケトルや電気ポットを使用する場合の注意点

電気ケトルや一般的な電気ポットは、安全性の理由から、沸騰すると自動的に加熱が停止するか、保温に切り替わる仕様となっています。

このため、トリハロメタンを確実に除去するために必要とされる「沸騰後10分以上の継続加熱」が困難です。

確実な除去を目指す場合は、やかんや鍋での長時間煮沸をおすすめします。

保存時の重要な注意点

煮沸した水は塩素が除去されているため、消毒効果がなくなり、雑菌が繁殖しやすい状態です。

速やかに冷却・保存する

加熱を終えたら自然に冷ますか清潔な容器に入れて速やかに冷まします。

早めに飲み切る

冷ました水は必ず冷蔵庫で保存し、雑菌の繁殖を防ぐためにもできるだけ早く飲み切るようにしてください。

煮沸以外で塩素・トリハロメタンを除去する方法

沸騰以外にも、家庭で簡単に残留塩素やトリハロメタンを取り除く方法があります。

浄水器

活性炭フィルターを通すことで、残留塩素やトリハロメタン、その他の不純物を取り除くことができます。

種類は蛇口直結型、ポット型、据え置き型、ビルトイン型などさまざまで、それぞれ除去できる物質や性能が異なります。

ウォーターサーバー

RO水(逆浸透膜でのろ過水)や天然水を使用している製品では、塩素消毒されていないため、トリハロメタンの心配がありません。

冷水や温水が手軽に利用できるため、飲用や調理、赤ちゃんのミルク作りなどにも重宝します。

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赤ちゃんのための安全な水の選び方

赤ちゃんの健康を守るために、水選びと調乳には以下の点に注意しましょう。

水道水について

日本の水道水は安全とされていますが、内臓機能が未熟な赤ちゃんに直接与えるのは避ける方が安心です。

ミルクの調乳には、煮沸後70℃以上に冷ましたお湯を都度使用しましょう。衛生のため、煮沸した水の作り置きはしないことが推奨されます。

市販の水(ミネラルウォーター)について

ミネラル成分が多い硬水は避け、軟水を選びましょう。

RO水(不純物をほぼ除去した水)は、安全性が高く、赤ちゃんに適しています。ウォーターサーバーを活用することで、安全な水が手間なく得られる方法として有効です。

水を与えるのは生後5~6か月頃が目安

水分は基本的に母乳やミルクで十分です。水を飲ませ始めるのは、離乳食が始まる生後5~6か月頃を目安にしましょう。

まとめ:水道水をより安全でおいしく飲むために

日本の水道水は国が定めた厳しい水質基準を満たしており、安全に飲むことができます。カルキ臭やトリハロメタンが気になる場合は、簡単な方法で摂取を防ぐことが可能です。

ただし、水道水を煮沸すると塩素臭やトリハロメタンは除去されますが、トリハロメタン除去に必要な10分以上の煮沸は手間がかかります。

水の手軽な安全性と利便性を両立させるなら、ウォーターサーバーや浄水器の利用を検討するのも一つの方法です。

安全性の高い日本の水道水を活用しつつ、適切な方法を取り入れて、安心して快適な生活を送りましょう。

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