赤ちゃんに白湯は必要？飲ませる際の注意点や作り方

かつては「お風呂上がりや外出後には白湯を飲ませる」という考え方が育児の中で取り入れられることもありました。現在では、水の衛生環境の向上やミルクの進歩を背景に、水分補給についての考え方が時代とともに変化してきています。

離乳食が始まるまでは母乳やミルクで十分

厚生労働省などの育児ガイドラインでは、離乳食が始まる生後5〜6ヶ月頃までは、母乳やミルクのみで水分補給は足りるとされています。

母乳やミルクには、水分と栄養がバランスよく含まれているため、健康な赤ちゃんに白湯を追加する必要性は高くありません。

白湯を取り入れる目的と役割

白湯は栄養補給のためのものではなく、主に次のような目的で活用されることがあります。

• ミルク後のお口をさっぱりさせる
• 母乳以外の味に慣れる練習
• スプーンやコップ、ストローを使う練習

生後すぐの時期に与える必要性

生後まもない赤ちゃんは胃の容量が小さく、体の機能も発達途中です。

この時期に白湯を多く飲むと、母乳やミルクの摂取量が減ってしまう可能性があるため、基本的には必要ないと考えられています。

白湯を取り入れる場合は、成長段階に合わせて無理なく進めることが大切です。

生後4ヶ月頃まで：基本は不要、与えるなら少量から

この時期は水分補給としての必要性は低く、無理に与える必要はありません。

便秘時などで試す場合も、授乳の妨げにならない「ひと口・ふた口」程度から様子を見るのが一般的です。

離乳食初期（生後5〜6ヶ月）：スプーンで少しずつ

離乳食開始とともに、白湯に慣れ始めるタイミングです。

食後にスプーン1〜2杯程度から、口をゆすぐような感覚で取り入れるとよいでしょう。

離乳食中・後期（生後7〜11ヶ月）：コップやストローの練習

食事リズムが整ってきたら、水分補給の選択肢として白湯が使いやすくなります。

外出後やお昼寝後などに、20〜30ml程度を目安に、コップやストローの練習を兼ねて与えるケースもあります。

赤ちゃんに与える白湯は、大人用よりも衛生面・温度面で丁寧な配慮が必要です。

水道水を使う場合は「10分以上の沸騰」が目安

水道水には消毒用の塩素が含まれています。

また、沸騰直後はトリハロメタンという物質が一時的に増える性質があるため、フタをずらして10分以上沸騰を続ける方法が推奨されています。

飲みやすい「人肌」まで温度を下げる

沸騰後は、30〜40℃前後の人肌まで冷まします。

手首の内側に垂らして、熱く感じないことを確認してから与えると安心です。

ミネラル含有量が少ない「軟水」を選ぶ

赤ちゃんに使う水は、成分や衛生面に配慮されたものを選ぶことが大切です。

市販のミネラルウォーターを使用する場合は、ミネラル含有量が少ない「軟水」を選びましょう。

より安心して使える選択肢として、不純物や余分なミネラルを取り除いた浄水を、必要な分だけすぐに使えるウォーターサーバーを活用する家庭も増えています。

ウォータースタンドのような浄水型サーバーなら、毎回沸騰させる手間を減らしながら、赤ちゃんの白湯づくりにも使いやすい水を準備できます。

母乳・ミルクが主役、白湯は補助的に

白湯でお腹が満たされ、母乳やミルクの量が減ると、成長に必要な栄養が不足する可能性があります。

あくまで主役は母乳・ミルクであり、白湯は補助的な存在と考えましょう。

赤ちゃんが白湯を嫌がる場合

白湯は味がなく、母乳とは口当たりも異なります。

嫌がる場合は無理をせず、母乳やミルクでの水分補給を続けて問題ありません。

「赤ちゃんに白湯は必要？」と迷うこともあるかと思いますが、「離乳食開始までは母乳やミルクで十分」と考えておきましょう。

• 必要性：基本は母乳・ミルクで足りる
• 安全性：水はしっかり沸騰、使用するなら軟水
• 量：授乳の妨げにならないごく少量から

育児の習慣は時代とともに変わります。「こうしなければならない」と決めつけず、赤ちゃんの様子を見ながら進めてみてください。