冬の「かくれ脱水」に要注意

冬に起こる脱水症状を「かくれ脱水」と言われているのをご存知でしょうか。
冬は、夏に比べて空気が乾燥し、湿度も下がるため体から水分が奪われやすくなります。喉が渇きにくいなどの理由でお水を飲む量が少ないこともあり、脱水していることに気づきにくくなります。しっかり対策をしましょう。

冬の「かくれ脱水」に要注意

《目次》

  1. 脱水症状とは?
  2. 冬脱水が夏脱水と違うのは?
  3. 子どものかくれ脱水
  4. 冬に多い感染症と脱水対策
  5. 冬脱水の予防と対策

1.脱水症状とは?

人の体液は約60%を占める水分とミネラル(ナトリウム・カリウム等)などで構成され、生命活動をおこなううえで欠かすことのできないものです。排出される水分量が増えたり摂取する水分量が足りなくなったりすると、体内の水分やミネラルのバランスが崩れ、水分と一緒にミネラルも一緒に排出されます。これを「脱水症状」といいます。

脱水症状とは?

2.冬脱水が夏脱水と違うのは?

季節を問わず、人間の体は自覚のないままに呼吸や皮膚・粘膜から水分が蒸発しています。これを不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といいます。健康な成人は1日に約900mlの水分を不感蒸泄で失うといわれています。
夏はこれに加え、発汗量が増えることで脱水が起こりやすくなります。しかし発汗は口渇感を促すので自然と水分補給の量が増えます。また、近年の猛暑により熱中症への警戒感が浸透したことで、意識して水分補給をする人が増えてきました。

一方、冬は汗をかく機会が少ないため、のどの渇きを感じにくくなり水分摂取量が少なくなります。また、空気が乾燥しているため不感蒸泄がより促進されてしまいます。

とくに新しい住宅は気密性が高く乾燥しやすかったり、エアコンなどの使用でさらに湿度が下がるなど、室内の空気がカラカラに乾いてしまう原因がたくさんあります。

かくれ脱水のサインとして「カサ・ネバ・ダル・フラ」と覚えるとよいといわれています。

【かくれ脱水のサイン】

  • カサ……手先などの皮膚がカサカサしている
  • ネバ……口の中が粘る、食べ物が飲み込みにくい
  • ダル……脱水の初期から表れる症状でダルさを感じる
  • フラ……めまいや立ちくらみでフラっとする状態
冬脱水が夏脱水と違うのは?

3.子どものかくれ脱水

赤ちゃんや小さい子どもは体温調節機能が未発達なうえ、症状を表現できないので保護者の方がかくれ脱水に注意してあげる必要があります。乳児や子どもは大人に比べて体液の割合が高く、体の70%~80%ある体液も新陳代謝が活発なため、たくさんの水分を必要とします。 体液の割合のバランスが崩れると食欲が落ちたり機嫌が悪いといった症状が出たりします。 下記のような症状があてはまる場合は脱水症状のサインといわれています。

【子どものかくれ脱水のサイン】

  • 皮膚や唇がカサカサしている
  • 泣いたときに涙が出ていない
  • 体調を崩し下痢や嘔吐の症状がある

子どもの体調変化は急激に進みます。不安な場合はかかりつけの小児科へ相談してください。

子どものかくれ脱水

4.冬に多い感染症と脱水対策

冬は感染性やウイルス性の胃腸炎が流行します。これらの病気にかかると、ほとんどの場合下痢や嘔吐の症状があらわれ、脱水症になるおそれがあります。感染後の対処としては、効果的な抗ウイルス剤はないので、水分補給をして脱水症を予防するしか方法はありません。

インフルエンザのような高熱を発する病気では発汗からミネラルを失いやすくなるため、水だけを飲むのではなく、電解質を含む飲料によって水分補給をすることが重要です。粉末のスポーツドリンクを常備し、お水に溶かして飲むことをおすすめします。

夏と冬では水分とともに失われる電解質の中身が違います。発汗による脱水が起こるケースが多い夏場は、ナトリウムが大量に失われます。ウイルス感染からくる下痢・嘔吐による脱水では、ナトリウムに加えてカリウムもたくさん失われます。ナトリウムに加えてカリウムがバランス良く配合されている経口補水液が特にオススメです。

<自宅でできる経口補水液の作りかた>

経口補水液はドラックストアで売られていますが、緊急時や買いに行けないときなどは、ご家庭にある材料を使って簡単に経口補水液を作ることができます。

材料 水1L 水500mL
砂糖 大さじ4・1/2(40g) 大さじ2・1/2(20g)
小さじ1/2(3g) 小さじ1/4(1.5g)
冬に多い感染症と脱水対策

レモン果汁を入れると風味が良く飲みやすくなります。また、果汁からクエン酸やカリウムなどが摂取できます。

<手作り経口補水液の注意点>
糖分とナトリウムのバランスが重要なので計量は正確に行いましょう。
手作り経口補水液は、雑菌が繁殖する可能性もあるため遅くともその日のうちに飲みきる必要があります。

5.冬脱水の予防と対策

脱水症は早めの予防と対処が大切です。運動時の発汗だけでなく、季節による気温変化などさまざまな要因でも起こりうる症状です。冬だからといって油断することなく、こまめな水分補給を心がけて快適な冬生活を送りましょう。

①水分補給

脱水に最も効果的な予防方法は水分補給です。食事のときだけでなく、こまめに水分を取るようにしましょう。ふだんの水分補給にはできるだけお水や白湯(さゆ)を摂ることが大切です。利尿作用の強いカフェイン飲料やアルコールではさらに脱水に陥りやすくなります。また、スポーツドリンクには塩分や糖分が多く含まれているため、普段の水分補給としては控えるようにしましょう。

水分補給

②乾燥対策

部屋の湿度を上げることで、乾燥を防ぎ体の表面から逃げていく水分を減らすことができます。同時にウイルス対策もできるので風邪予防にもつながります。加湿器を使ったり、濡れたタオルを室内に干すだけでも湿度は上げることができます。

乾燥対策

③体温調節

暖房の使用で体が暖まっているにも関わらず厚着のままでいると汗をかき、体の水分が奪われて体が冷えてしまいます。脱ぎ着しやすい服装で体温をコントロールしましょう。

体温調節

④お子さまや高齢の方への声かけ

大人に比べて体温調節がうまくできないお子さまや高齢の方は、脱水になりやすい傾向があり「脱水弱者」と言われます。本人が注意するのにも限界があるため、家族や周りの方が気にかけて予防してあげましょう。

お子さまや高齢の方への声かけ

参考文献

「コップ1杯からのミネラルウォーター活用術」
「正しい水の飲み方・選び方」

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