「軟水」「硬水」の違いと使い分け方
水道直結ウォーターサーバー
ウォータースタンドのある暮らし
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水が飲みやすい、飲みにくいと感じるのは、軟水、硬水による硬度の違いかもしれません。
では、この軟水と硬水の性質は、どのように分けられているのでしょうか。
ここでは、軟水・硬水の違いやメリット・デメリットについて、また特徴を活かした料理の使い分けについてもご紹介しています。

軟水と硬水の違い
硬度の基準
軟水と硬水を分ける指標を『硬度』と言います。硬度は、水1リットルあたりのマグネシウムやカルシウムなどのミネラル含有量を数値化したもので、WHO(世界保健機関)では、120mg/l未満のものを軟水、120mg/l以上のものを硬水と定めています。

地域(採水地)による硬度の違い
軟水・硬水は、地域による土壌の成分や土壌内での滞留時間の違いで変わってきます。
- 軟水の多い日本
- 日本は河川の長さが短く海までの傾斜が大きいので、比較的短時間で地下水が地層を流れます。そのためあまりミネラルを含まない軟水になります。
- 硬水の多い欧米
- 欧米は河川の長さが長く、海までの傾斜が緩やかなので、ゆっくりと時間をかけて地層を浸透して通り抜けます。そのためミネラルたっぷりの硬水になります。


ヨーロッパ・北米:地層に浸透してミネラルを吸収
軟水と硬水のメリットとデメリット
お水の味や飲みやすさは個人の感覚や好みによっても違いますが、軟水と硬水にはそれぞれのメリット・デメリットがあります。

- 軟水のメリット
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- 一般的に口当たりが軽く、飲みやすい。
- 肌や髪に優しい。
- 石鹸や洗剤の泡立ちがよい。
- 胃腸の未熟な赤ちゃんのミルクにも適している。
- 軟水のデメリット
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- 積極的にミネラルを摂りたいという場合には不向き。

- 硬水のメリット
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- スポーツなどで汗をかいたりしたときのミネラル補給ができる。
- 便秘の解消に効果が期待できる。
- 硬水のデメリット
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- 一般的に苦味や味にクセがあるので飲みにくい。
- 石けんの泡立ちが悪い。
- マグネシウムが多いため、胃腸障害を起こす場合がある。
軟水・硬水の特徴を活かした料理
軟水と硬水の特徴を知った上で食材や調理法を使い分けると、料理の仕上がりも変わってきます。
炊飯

軟水を使ってお米を炊くと、ふっくらと甘みのあるご飯が炊けます。
硬水を使う場合は、パエリアやピラフなど、歯ごたえのある食感のある米料理に向いています。
出汁・スープ作り

軟水で和風出汁をとると、うま味成分が引き立ちやすくなります。
硬水は、カルシウムやマグネシウムがうま味成分と結合し、アクが出やすくなるので、ブロック肉や骨などからじっくりスープを作る料理に向いています。
野菜を煮る

軟水で野菜を煮ると味がよく染み、やわらかくなります。
硬水は煮崩れさせたくない野菜に向いています。ゴボウやレンコンなどの根菜で歯ごたえを残す調理、野菜のアクを取り除きたいときには硬水を使うと口当たりがよくなります。
魚を煮る

軟水は、素材の味を引き出す煮魚料理に最適です。
硬水の場合は、アクの強い魚やスパイシーな味つけの魚料理に向いています。
肉を煮る

肉料理は、硬水に含まれるカルシウムと、肉を硬くする成分のたんぱく質が結びつき、アクとして抽出されるので、ブロック肉をじっくり煮込む料理(ビーフシチューやポトフなど)には硬水が適しています。
パスタの茹で水

硬水でパスタを茹でると、ミネラルの成分が多いため、麺にコシが出やすくなります。軟水で作る場合に、塩を入れるのはそのためです。
軟水と日本の食文化
- 出汁
- 日本料理に欠かせない出汁は、軟水で取るとうま味をしっかり引き出せます。
- 関東はやや水の硬度が高いので、昆布出汁が出にくく、かつお節を主に使用するようになったとも言われています。
一方、関西は昆布から出汁を引き出すのに適した軟水なので、昆布出汁の文化が定着したという説があります。 - 日本茶
- 日本茶は、軟水で淹れることで、茶葉のうま味や甘みが溶けだして香りを楽しめるため、「茶道」という文化が発達したと言われています。
- 日本酒
- 京都の伏見の軟水を使った酒は、酵母菌の熟成が進みやすいため、やや甘めの日本酒が生まれます。
- 同じ関西地域でも、カルシウムを多く含む神戸・六甲山の湧き水は中硬水で、独特のキレがある辛口の灘の酒が造られます。
おいしいお水が自宅でつくれるウォータースタンド
ふだんから気にすることもなく使っている水道水ですが、ウォーターサーバーでも軟水のお水が使われています。
ウォータースタンドなら、高機能な浄水フィルターで水道水をろ過し、冷水もお湯が使えることで時間が短縮できるうえに、定額料金で家計の管理がしやすい水道直結のウォーターサーバーです。
軟水と硬水の違いを知ったうえで、おいしい軟水で作る飲みものや料理を作ってみたいという方には、ウォータースタンドをお水選びの候補のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。


- 参考
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- 「コップ1杯からのミネラルウォーター活用術」馬渕 知子(著)実業之日本社
- 「ミネラルウォーターガイドブック」早川 光 (著)新潮社
- 「正しい水の飲み方・選び方」藤田 紘一郎(著) 海竜社
- 「知識ゼロからのミネラルウォーター入門」日本天然水研究会 (著) 幻冬舎実用書
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