水道水がそのまま飲める国はどこ?日本と海外の違い・旅行前の注意点を解説
ウォータースタンドのある暮らし
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執筆:ウォータースタンド
「水道水がそのまま飲める国はどこ?」と気になる方も多いのではないでしょうか。国土交通省の資料では、水道の水をそのまま飲める国は日本を含む9カ国とされており、世界的に見ると限られています。
日本では水道水を飲用できる環境が整っていますが、海外では国や地域、建物の配管状況によって水質が異なるため、旅行や出張の際は飲み水に注意が必要です。
本記事では、海外と日本の水道水事情の違い、日本の水道水が安全に飲める理由、海外で水を飲む際に気をつけたいポイントをわかりやすく解説します。
水道水をそのまま飲める国は世界でも限られている
まずは世界の現状を見てみましょう。
多くの国では「水は買って飲むもの」という認識が一般的であり、蛇口から出る水をそのまま安全に飲める国は、実はごくわずかとされています。
そのまま飲める国はどこ?
国土交通省の報告によると、国全体で蛇口から出る水道水がほぼ全国的に安全に飲める国は、世界でもごく限られています。
国土交通省の資料に基づき、「水道水をそのまま飲める国(9か国)」 とされている主な国は以下の通りです。
水道水をそのまま飲める国
- 北欧・オセアニア:フィンランド、スウェーデン、アイスランド、ノルウェー、デンマーク、ニュージーランド
- ヨーロッパ一部:オーストリア、オランダ
- アジア:日本
※ここでいう「そのまま飲める」とは、一般的に国全体で水道水の品質管理・供給体制が行き届いていると評価される国を指します。
一方で、国や地域によっては水道水が飲用可能とされる場所もありますが、次のような点から注意が必要です。
- 国全体で一律に安全とは限らず、地域差が大きい
- 建物内の貯水タンクや古い配管の状態によって水質が左右される
- 国として「そのまま飲める」と明確に保証していないケースも多い
なぜ「飲める国」はこんなに少ないの?
「国全体で水道水をそのまま飲める」国が非常に少ない背景には、明確な理由があります。
主に、次の2つの大きな課題が関係しています。
1. 浄水技術とコストの高さ
安全に飲める水を安定して供給するためには、高度な浄水技術と厳密な運用管理が不可欠です。
- 河川・湖・地下水などの水源を常に清潔に保つこと
- 殺菌・ろ過・高度処理など、複数工程を継続的に管理すること
- それを支える大規模な設備投資と運転コスト
これらを全国規模で長期間にわたって維持することは、多くの国にとって容易ではありません。
2. 水道インフラを清潔に保つことの難しさ
たとえ浄水場で高品質な水をつくることができても、家庭に届くまでの配管や設備を清潔に保つことが、次の大きな課題となります。
- 配管の老朽化によるサビや雑菌の発生
- 建物内の貯水タンクの衛生管理不足
- 地域による水圧・水質の違い
- 広大な国土でメンテナンスが追いつかないケース
このように、「安全な水をつくること」だけでなく、「安全なまま家庭まで届け続けること」が難しいため、世界で蛇口の水をそのまま飲める国は限られているのです。
なぜ日本の水道水は安全に飲めるのか?3つの理由
では、なぜ日本では水道水をそのまま飲用できる環境が整っているのでしょうか。そこには、水質基準、消毒管理、水道インフラの維持管理といった複数の仕組みがあります。
① 世界的に見ても項目数の多い水質基準
日本の水道水には、水道法に基づく水質基準が定められています。基準項目は多岐にわたり、水道事業者による定期的な検査や管理によって、水道水として利用できる水質が保たれています。
主な検査項目
- 一般細菌:1mLあたり100以下
- 大腸菌:検出されないこと
- カドミウム及びその化合物:0.003mg/L以下
- 水銀及びその化合物:0.0005mg/L以下
- 鉛及びその化合物:0.01mg/L以下
- ヒ素及びその化合物:0.01mg/L以下
- 味・臭気:異常でないこと
- 色度:5度以下
- 濁度:2度以下
これらは、水道水として利用できる水質を確保するために定められている基準の一部です。水道事業者は、水道法に基づく水質基準に沿って、定期的な検査や管理を行っています。
【豆知識】
日本の水道水の水質基準は、世界的に見ても項目数が多く、幅広い観点から水質が管理されています。また、水質基準は最新の科学的知見や社会的な状況を踏まえて見直されることがあり、PFOS及びPFOAも水道水の水質基準に追加されています。
② 蛇口まで消毒効果を持続させる「塩素管理」
日本の水道水について、「カルキ臭(塩素のにおい)」が気になるという声もありますが、これは水の衛生状態を保つための消毒管理が行われているためです。
日本では、蛇口から出る水に一定以上の遊離残留塩素が含まれていることが定められています。これにより、浄水場から各家庭へ届くまでの間も、微生物による汚染を防ぐ仕組みが整えられています。
なぜ塩素が必要なの?
浄水場から各家庭までは、長い配管を通って水が届きます。その途中で雑菌が繁殖しないよう、塩素による消毒効果を蛇口まで維持する必要があります。
この仕組みにより、日本では配管を通る間の微生物リスクを低減する体制が整えられています。
カルキ臭が気になる場合の対処法
- 冷蔵庫で冷やす(冷たい水は塩素臭を感じにくい)
- 沸騰させる(塩素が蒸発する)
- レモンやお茶を入れる(香りによるマスキング効果)
- 浄水器・浄水型ウォーターサーバーを使用して水道水を浄水する
③ 漏水率を抑える水道インフラの維持管理
日本の水道水が安定して届けられている背景には、浄水場での処理だけでなく、水道管や設備の維持管理があります。
たとえば、東京都水道局の資料では、令和6年度の漏水率は3.5%とされています。東京都では、漏水の早期発見・早期修理や老朽管の更新など、漏水を抑えるための対策が継続的に行われています。
漏水率を抑えることは、水資源の損失を減らすだけでなく、出水不良や道路陥没などの二次被害を防ぐうえでも重要です。
水道事業者は、日常的な点検や設備の更新を行い、水道水を各家庭まで安定して届ける体制を維持しています。
海外に行く際の「水」の注意点と対策
日本がいかに恵まれているかが分かったところで、海外へ行く際に気をつけるべきポイントをおさらいしておきましょう。
「硬水」と「軟水」の違いに注意
日本の水は、口当たりがまろやかな「軟水」です。一方、ヨーロッパや北米の多くは、ミネラル分(カルシウムやマグネシウム)が多い「硬水」です。
飲用可能とされる地域でも、硬度の高い水に飲み慣れていない場合は、お腹が緩くなることがあります。
トラブルを避けるための4つのルール
- 1. 基本はミネラルウォーターを購入する
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- 飲料水としては、必ず未開封のミネラルウォーター(ペットボトル)を購入しましょう。
- 購入する際は「Gas(炭酸あり)」と「No Gas(炭酸なし)」を確認して選びましょう。
- 2. 氷・加熱処理されていない食品には警戒を
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- レストランやカフェで出される氷や、サラダ、カットフルーツを洗った水が水道水である可能性があります。
- お腹が弱い方は「氷なし(No Ice / Sans Glaçon)」を頼むのが無難です。加熱処理されていない生野菜や、皮を自分で剥かないフルーツは、衛生状態が分からない場合は避けると安心です。
- 3. 屋台等での食事は特に注意する
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- ローカルな屋台や露店で提供されるスープ類、ドリンク、氷は、安全な水が使われているか判断が難しい場合があります。
- 調理過程で十分に加熱されているもの(揚げ物、煮込み料理など)を選ぶようにしましょう。
- また、カットされた状態で売られている果物や、衛生管理が不確かな食器にも注意が必要です。
- 4. うがい・歯磨きも注意
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- 水質が良くない地域や、水道水に不安がある場合は、歯磨きの際やうがいをする際もミネラルウォーターを使うことをおすすめします。
- シャワー中に誤って口に水が入らないようにも注意しましょう。
まとめ:日本の「水」のある暮らしに感謝を
日本では、蛇口をひねれば水道水をそのまま飲用できる環境が整っています。
世界を見渡してみると、この環境は決して当たり前ではなく、水質基準や消毒管理、水道インフラの維持管理によって支えられていることが分かります。
これから海外へ行かれる方は、現地の水事情を確認し、飲み水や氷、生野菜、歯磨き時の水などに注意しながら過ごしましょう。帰国後に日本の水道水を改めて味わうと、日々の暮らしを支える水道インフラのありがたさを感じられるかもしれません。
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