海水塩分の正体を探る!
私たちの暮らしと海洋環境
ウォータースタンドのある暮らし
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執筆:ウォータースタンド
「海の塩分はどうやってできたの?」「場所によって濃さが違うのはなぜ?」 そんな疑問を持つ方や、お子様の自由研究のテーマを探している方へ。
海水の成分や成り立ちから、現代の海洋汚染リスクまで、海水の塩分について分かりやすく解説します。
「なぜ海の水は塩辛いの?」この素朴な疑問から、地球環境や私たちの健康まで、海水の塩分には多くの秘密が隠されています。
この記事では、海水の塩分の正体やその成り立ち、海域ごとの違い、さらには地球環境や人体・生物への影響までわかりやすく解説します。海の神秘を知り、より良い海洋環境との関わり方を考えてみませんか?
海水の塩分とは?その正体と成り立ち

地球表面の約70%を占める海。その最大の特徴である「塩分」について解説します。
海水の塩分を構成する主な成分
海水の塩分は、単なる「塩」だけではありません。いろいろなミネラルが混ざり合っています。
- 塩化ナトリウム(約78%):私たちが普段「食塩」として使っている主成分。
- 塩化マグネシウム:苦味の成分。豆腐を固める「にがり」の主成分。
- 硫酸カルシウム:ギプスや石膏の材料になる成分。
- カリウム・ヨウ素:生物が生きていくために欠かせない微量ミネラル。
海の塩分はどこからやってくる?
海の塩分は、数十億年という気の遠くなるような時間をかけて蓄積されました。
- 地表からの溶出:雨水が岩石のミネラルを溶かし、河川を通って海へ運ばれました。
- 火山活動:地球誕生初期、海底火山から噴出したガスが海水に溶け込みました。
【なぜ海だけが塩辛いの?】
川の水にもごくわずかに塩分は含まれています。しかし、海では太陽の熱で水分だけが蒸発し、塩分が取り残されます。これが数十億年も繰り返されたため、海は「濃縮」されてしょっぱくなったのです。
世界の海を比較!濃い海・薄い海

世界中の海はつながっていますが、実は場所によって濃さが異なります。
- 世界の平均濃度: 約3.5%(1リットルの海水に約35gの塩分)。
- 大西洋:蒸発が激しいため、主要な海の中では最も濃度が高い傾向があります。
- 太平洋:雨が多く降るエリアが広いため、大西洋よりわずかに低め(3.4%〜3.5%)です。
- 北極海・南極海:氷が溶けて真水が混ざるため、濃度は低くなります。
- 【番外編】紅海: 砂漠に囲まれ蒸発が激しいため、濃度は約4.1%に達します。
知って納得!海水の『性質』を暮らしに活かす&比べる
海水の「濃度」や「重さ(密度)」という性質を知ると、日常生活がもっと面白くなります。
料理での活用:あさりの砂抜きは「海を再現」すること

あさりが最も活発に砂を吐き出すのは、海水と同じ環境に置かれたときです。
あさりの砂抜きは、「約3%の塩水」で作ります。水500mlに対し、塩は大さじ1杯弱(約15g)。これだけで、お家でも簡単に「海」を再現できます。
レジャーでの発見:プールより海で体が浮きやすい理由
海水は真水よりも塩分が溶け込んでいる分、密度が大きくなっています。そのため、物体を押し上げる力(浮力)が強くなるのです。海で体がフワフワと浮きやすく感じるのは、この塩分のおかげです。
数値で比較:身近な液体と比べてみよう
海水の3.5%という数字を、身近なものと比べてみましょう。
| 液体 | およその 塩分濃度 |
特徴 |
|---|---|---|
| 淡水 (川・湖) |
0.05%以下 | ほとんど塩分を含みません |
| 生理食塩水 | 0.90% | 体液とほぼ同じ、医療でも使われる濃度 |
| 味噌汁 | 0.8〜1.0% | 飲んで美味しいと感じる塩分 |
| 海水 | 3.50% | 飲むと脱水症状を起こすほど濃い |
| 醤油 | 15〜17% | 海水の約4〜5倍! |
【実践】自由研究:海水の塩を取り出してみよう
世界の海の平均濃度が3.5%だとわかったら、次は実際に自分の手で「塩」を取り出してみましょう。
準備
- 海水(100ml):海で汲んできたもの、または「水100+食塩3.5g」で作った人工海水。
- 計量カップ・電子秤(0.1g単位で計れるものがベスト):正確な測定に必要です。
- 小さめの鍋またはステンレス製のボウル:水分を飛ばすために使います。
- カセットコンロまたはキッチンコンロ:加熱用。
- 木べらやスプーン:最後に塩をかき集めるため。
- 保護メガネ・軍手:塩が跳ねることがあるので安全のために着用しましょう。
実験の手順
- 準備:海水(または水100g+食塩3.5gで作ったもの)を100ml用意します。
- 計量: 空の鍋の重さを量り、海水を入れます。
- 加熱:強火で沸騰させ、水分が減ってきたら弱火にします。
- 仕上げ:パチパチ音がして水分が飛んだら火を止め、冷めるのを待ちます。
- 計測: (塩が入った鍋の重さ)ー(空の鍋の重さ)で、取れた塩の重さを出します。
計算してみよう
取り出した塩の重さを計算してみましょう。

※実験は必ず保護者の方と一緒に、換気をしながら行いましょう。
海は地球の心臓?塩分が作る「大きな流れ」と環境問題
海には、世界中をぐるりと一周する巨大なベルトコンベアのような流れがあります。これを動かしているのは、実は「塩分」なのです。
海を動かす「塩分エンジン」
海には世界中を巡る巨大な流れ、海洋大循環(熱塩循環)があります。 北極付近で海が凍る際、取り残された「冷たくて塩分の濃い重い水」が深海へ沈み込みます。この沈み込む力がポンプとなり、数千年以上かけて地球の海水を循環させ、気候を一定に保っています。
※温暖化で氷が溶けると塩分が薄まり、このポンプが止まって異常気象が起こるリスクが指摘されています。
マイクロプラスチックと私たちの食卓
いま、海の汚れは深刻です。海に捨てられたゴミは細かくなりマイクロプラスチックとなります。最新の調査では、市販の「海塩」からも微細なプラスチックが検出されています。海の環境を守ることは、私たちの食の安全を守ることにも直結しているのです。
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まとめ ― 海の豊かさを守るために
海水の塩分は、地球の長い歴史が作り上げた絶妙なバランスです。このバランスが、多様な生命を育み、地球の気候を守っています。
海について知ることは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」への第一歩。一人ひとりが、プラスチックごみを減らすなどの意識を持つことが、美しい海を次世代へ引き継ぐことにつながります。
【自由研究に役立つ Q&A】
Q:塩分濃度の単位「‰(パーミル)」って?
A:100分の1を表す「%(パーセント)」に対し、1,000分の1を表す単位です。3.5%は35‰と書きます。
Q:海水の塩分濃度は今後も変化する?
A:地球温暖化による海水温の上昇や極地の氷の融解など、気候変動の影響を受けて、今後も海水の塩分濃度は変化すると予測されています。この変化は、海洋の循環や生態系に大きな影響を及ぼすと考えられています。
Q:家庭の浄水器で海水は飲めるようになる?
A:通常の浄水器では海水の処理は難しいですが、ウォータースタンドのROフィルター(逆浸透膜)を使用すれば、塩分や目に見えない微小な汚染物質もナノレベルで除去することが可能です。(※ただし、故障のリスクがあるため、海水を直接処理することはおすすめしません。)
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